研究内容

原子レベルで生命現象を解き明かす

~ミクロの世界からマクロの世界へ~

クロマチン再構成とは

ヒトの遺伝子を構成するDNAは全長2m程度と言われており、それが10μmという微小な細胞核内に格納されている。核内には、ヒストンと呼ばれるタンパク質から構成される、糸巻きのような構造体が無数に存在しており、DNAはそれらに巻き取られることによってコンパクトに収納されている。発生や細胞分裂など様々な過程において、そこに関わるタンパク質が遺伝子から作られる必要がある。遺伝子からタンパク質が作られる際には、目的遺伝子の部分が糸巻きからほぐされ、引き出されてくる必要がある。この過程をクロマチン再構成と呼ぶ。私たちの細胞内では、複数の種類のタンパク質からなるクロマチン再構成複合体がクロマチンの再構成を担っている。クロマチン再構成複合体を構成するタンパク質間の相互作用を解析し、3次元構造を解析することで、「クロマチン再構成複合体がどのようにして糸巻きからDNAをほぐすのか」というなぞを分子レベル、原子レベルで解き明かそうと、機能分子構造解析学分野と生命分析化学分野では、共同で研究を行っている。
遺伝子は紫外線や活性酸素、放射線など、多種多様なストレスにさらされており、損傷と修復が常に行われている。遺伝子の損傷が修復されなければがんを始めとして様々な病気が引き起こされる。クロマチン再構成は遺伝子の修復にも関わっており、そのメカニズムを原子レベルで理解することにより、病気のメカニズムの解明や、薬につながる新たな分子メカニズムの発見につながることが期待される。

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クロマチン再構成複合体
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